きものや帯を縫うだけでなく、家のなかのちょっとした繕いものを和裁の方法でやってみる。
測る手間もなく、アイロン要らず、縫い目はおもてに出ない、いいこと尽くしのカーテン裾上げをやってみました。
カーテンの裾を数回折った厚みが、よい重りとなります。
裾が切れたり汚れたりしたら、洗って新たに折り目をつけてまた縫える。
手縫いの良さは、糸をすーっと引けば布がほどけて、針目の跡も残らないこと。
和裁を知らない方でも、簡単にできちゃいそうなやり方をご紹介します。
※和裁教室に通う一生徒の自己流のやり方です。ご了承ください。
綿や麻のカーテンを安く手に入れる
カーテンは、麻や綿など天然素材の生地にしています。
ポリエステルよりネコの毛がつきにくいのと、何といっても風合いが好みだから。
ただ、天然素材のカーテンは、案外お高い。ネットで買えるカーテン専門店も、決まったサイズならお手頃でも、サイズオーダーとなるとそう安くはならないでしょう。
そこで、IKEAの出番。
今回はレースカーテンを探して、SILVERLÖNN スィルヴェロンを選びました。
IKEAの掃き出し窓用カーテンは、長さが250cmになっているようです。
窓の高さに合わせて、長すぎれば裾上げをしなければなりません。
この裾上げを、簡単にできる和裁の方法でやってみました。
和裁を知らなくても大丈夫! 面倒な寸法出し・アイロンがけ不要
縫う前の下準備
ちょうどよい丈を見定めよう
縫い始める前に、一度カーテンを吊るしてみます。裾からどのくらい上げたらよいかを確認します。
長さはお好みで。
窓側にかけるレースカーテンは、部屋側にかけるカーテンより少し短めにするのがよいですね。
水通し
綿素材は、水に通すと5%ほど縮むといわれています。
気になる方は、カーテンをたたんで水に浸して1時間程度おき、軽く絞って日陰に干すとよいでしょう。
わたしは、面倒なので水通ししませんでした。
縮んだらまた縫えばいいや、と。
カーテンの裾上げ
アイロンは要らないよ ~裾線を折る
カーテン生地の右端をけんちょう器で挟み、左手でもう一方の生地を持ちます。
真ん中(青色)を基点に、右手の親指と人差し指、中指で布をつまんでスッスッと左右に動かし、しっかり折り目をつけます。
真ん中を基点に押さえると、折り目をつけるときに歪みを防ぐことができます。
けんちょう器がない場合は
いや、お持ちでない方がほとんどでしょう。
布の端を固定できればよいので、文鎮替わりになる重たい本などで押さえるとよいです。
和裁のプロは、あぐら座になって左足の指ではさんで縫っていますよ。
ちょうどよい丈を決めたら、カーテンの下端から2回、3回と折りたたみます。
だいたい7~8cmくらいの幅で折り上げて、待ち針を打ちます。
「三つ折りぐけ」で裾の折り返しをとめる
いよいよ縫っていきます。
和裁では、「折りぐけ」とか「三つ折りぐけ」と呼ぶ縫い方です。
折山の中に針を進めて、カーテンの表側(青色の部分)にちょんと指に当たるくらい針を出します。
ちょっとだけ針先が指に当たってイテテっとなる感覚、伝わるでしょうか。
それくらい小さく針目を出すと、縫い目のない一枚の布のように仕上がります。←熟達すれば
縫い終わりを「十字止め」で頑丈にとめよう
裾をくけて最後のところまできたら、折り重なった布すべてを針で通して、おもて、裏、と抜き差しを数回繰り返します。
最後は、表に出ないところで玉止めをして完成。
IKEAカーテンの吊り下げ方
完成したカーテンをつけようとしたら、ここで大苦戦!!
IKEAのカーテンをカーテンレールに取り付けるには、専用のカーテンフックもあった方がよいでしょう。
*カーテンによって、必要なパーツが変わるかもしれません。ご確認を。
RIKTIG/リクティーグ カーテンフック 499円
カーテンロッドに通したり、クリップタイプの金具で吊るしたりする場合は、このカーテンフックは不要です。
下の写真のとおり、3番目の穴にフックを通すのですが、これが硬いのなんの。
ぐいぐい力を入れてもなかなか刺さらないので、竹串で隙間をあけて、何とか通すことができました。
さらに、難儀したのが、取り付ける時。
フックがするっと抜けてしまうのです。
一つ抜けて直していると、すぐに隣のフックが滑って抜けて。これを何度も繰り返して、腕がつりそう。
同じように苦労している人がいたら解決方法を知りたい、と検索したけれど特に出てきませんでした。
なんでしょう、うちだけの問題??
不思議なもので、翌日からはフックが抜けることはなくなりました。
う~ん、いったい何だったの~?